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素晴らしい日本人に聞くシリーズ

第5章『造園外交を通して各国との友好を築く』

藤原美津子: 最後に、小杉社長の造園外交のお話をお聞きしたいと思います。

小杉社長: 外交といっても、私はすぐに仕事に結びつけようと、一辺倒に庭の話をしたりせずに、「私のところに一度遊びに来てください。温泉に入りに来てください。」と、色んな日本の文化も紹介しますので、相手の国の方たちは親しみを感じてくれているのではないでしょうか。初めて大使として来られた方は、他の人と一緒に裸で温泉に入るという経験がない方が多いですね。

藤原美津子: きっとそうだと思います。

小杉社長: 最初は恥ずかしがっていました。「でも、日本に来たら、日本の文化に慣れてください、一緒に入りましょう。」と誘って一緒に入りました。植木屋だから、職人だから平気で言えるのですよ。きっと普通のサラリーマンの方でしたら、失礼に当たると思って遠慮してしまうのでしょうけど。

藤原美津子: それは、社長のお人柄ですよ。

小杉社長: こちらが楽にしていると、皆さんも緊張しないで喜んでくれます。五月には、ある国の大使が、富士にアシタカツツジを見たいと遊びに来られます。結構大使の皆さん方が熱海の研修所に来られます。

藤原美津子: そうですか。私は、海外にも役に立ちそうな日本のしきたりを、紹介していきたいと思うのですが、海外からは、日本のどんなことを聞かれますか?日本のお祭りのことなど聞かれますか?

小杉社長: 私も祭りなども見せたり、餅つきをやったり、茶道を体験してもらったりしています。

藤原美津子: 外国の人は、お神輿を見てどんな反応を見せますか?

小杉社長: 袢纏羽織(はんてんはお)って担ぐよ。」と誘って、一緒に楽しんでいます。

藤原美津子: 北澤八幡様で担ぐのですか?

小杉社長: そうです。実は、アンゴラ大使館が北澤八幡の側にあるのですが、声をかけられなかったみたいなので、宮司に話をして、私の方から大使に、「誰か参加してください。閣下がお忙しければ、代わりにどなたか出してください。」とお誘いしました。

藤原美津子: そうですか。神社のお祭りとか茶道や餅つきとかも、外国にはない文化ですものね。

小杉社長: 畏まらずに「遊びに来て!」と言うと気軽に来てくれます。

藤原美津子: この写真は、茶道をやっているみたいですが。 (小杉造園株式会社の案内資料を見ながら(※1))

小杉社長: 熱海の研修所には、畳の部屋が九つあるのですが、この場合は、みんなが見えるように工夫して畳三枚だけ敷いて教えています。

藤原美津子: 着付けなども教えてあげるのですか?

小杉社長: 着物の着付けは難しいので、浴衣を教えています。

藤原美津子: 浴衣でもいいと思いますね。

小杉社長: 皆さん喜びます。

藤原美津子: いいですね!『白いご飯、畳、温泉かけ流し』・・・

小杉社長: これは、「白いご飯に畳の生活をして、温泉に入らないと、日本人の気持ちになれませんよ」と私ども流の言い方をしているのです。

藤原美津子: 押し切ってしまうところがすごいですね。

小杉社長: そう。熱海の研修所の部屋が全て畳です。畳は日本の文化なのだからと言っています。

藤原美津子: 『日本の気持ちになる二週間』という言葉も、とてもいいですね。職人が外国人に伝授。これ、言葉が通じなくても伝授はできますか?

小杉社長: 技術的なものは出来ます。そうやって、海外の人に日本の文化を広めるために、あちこちの国で講演をしています。

これは、一九二一年四月二十四日に、昭和天皇がお手植えになったマルタ共和国のインドモクゲンジの木です。私はその九十年後の、四月二十八日に行ったのですが、その時アベラ大統領閣下(当時)とお会いした後に、大統領官邸の脇にあるサンアントンガーデンに案内され、代表のカルマタさんに、「これはあなたの国のプリンスが植えた木です。」と教えていただいたのです。

帰国後に外務省にこの話をしました。「今は、こうやって荒れているけれども、第二次世界大戦では、当時イギリス領だった国で、敵同士のはずなのに切ってしまうことなく、九十年も守ってくれたというのは凄いことだから、手入れする費用を出してください。」とかけ合ったのです。

残念ながら外務省には、「お金がありません」と言われてしまいました。そこで、「仕方がない、では私がやります。」と言って、私はその地元でお金を使うということを実践しました。どこの国でも喜ばれています。お陰様で私が行くと、どういうわけか白バイが先頭なのです。

藤原美津子: 凄いですね。国賓級の扱いですね。

小杉社長: 今も手厚く迎えてくださっています。この間もマルタ共和国に行ってきましたが、今度は、大きな五千平米くらいの日本庭園を作りたいと・・・

藤原美津子: 申し出があったのですか?

小杉社長: ええ。悪いけれどデザインをしてくれないかと。マルタ共和国の政府が、マルタの造園業界のために仕事を作り出す。それはボランティアになってしまうのですが、それでも、いいと思っています。日本庭園がそこに出来れば、また日本ファンが多くなりますから。

ここの国にはそうやって、貢献しています。ウクライナなども、二十六周年だったかな、大きな民間団体のチェルノブイリ事故の慰霊祭に呼ばれて行き、桜の木を三本献木してきました。

藤原美津子:そうですか。桜とはいいですね。

小杉社長: それと、実はクリミア半島は日本びいきだったりします。ここヤルタ会談で日本の将来が決まったのです。アンゴラも日本から見たら西の果てですけど、石油、天然ガス、ダイヤモンドの資源国なのです。だから、友好を続けていけば日本にとっても、これから素晴らしい国になると思います。

もっと、日本人に世界各国のことを知ってもらいたいですね。多くの国に日本との友好の兆しがたくさんあると思います。そのままで終わらせてしまってはもったいないと思います。

藤原美津子: 意外とそういうことは、なるほど、海外に出てみないとわからないですね。
私たち日本人は日本の良さを再認識していくと同時に、もっと海外にも目を向けなくてはならないと感じました。

小杉社長、本日はご多用の中、貴重なたくさんのお話をありがとうございました!


※1 詳しい案内資料については、小杉造園株式会社ホームページの会社案内の会社パンフレットよりご覧いただけます。その際に、アドビシステムズ社の Adobe Reader が必要です。 アドビシステムズ社より無料で配布されておりますので、ダウンロードしてご利用ください。


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